がんばれ、チャイムの女の子。

きのうは、日がな一日、広島の街をぶらぶらしてまして。
広島市民平和の集いとかに参加もしてみました。
あとは、平和公園で祈りの準備にいそしむ、いろんな人を見て過ごしました。
 
そのなかでもかなりの時間見ていたのが、
慰霊碑のすぐ横で行われていたオーケストラの練習風景。
広島市内の中学校、高校の吹奏楽部から代表が参加してるらしく。
なかでも、ひとりの女の子。
カーン、カーンと高らかに鳴る「チャイム」担当の女の子に釘付けでした。
 
今日の記念式典で一番大事なのは、8時15分からの黙祷です。
その黙祷の前に、オーケストラの演奏があります。
だいたい8分間くらい。
 
ただ、そこに重大な決まりごとがあります。
それは、演奏をぴったり8時15分に終わらせなければならない、ということ。
演奏終了に合わせて、「黙祷」の声がかかるんですね。
何があっても、ぴったり、じゃないとだめなわけです。
 
ところが昨年は、演奏に入る前のプログラムが押して、
演奏開始時点ですでに「1分遅れ」だったそうです。
指揮者がテンポを変えたり、泊数を変えたりして、
その場で1分縮めたのだとか。
 
よく見ると、オーケストラの真ん中におっちゃんが一人しゃがんでいて、
彼が指揮者に「時間」を伝えています。指の本数で。
指揮者って、たいへんだ。
奏者の子たちもかなり集中して指揮棒を追っています。
 
そんな緊張感の高い演奏の最後が、チャイム、なんです。
まさに平和を世界に届ける鐘の如く。
オーケストラの音が静まってゆく中、カーン、カーン、カーンと響き渡ります。
最後の「カーン」の余韻の中、「黙祷」が告げられるそうな。
 
指揮者曰く、
「最後の1回、叩くかどうかはギリギリまでわからない。
 叩こうとする寸前で止めるかもしれない。集中してほしい」
 
うっわー。緊張する!
ひとごとやけど緊張するわー。
最後の1回、「カスッ」とか許されへんしなあ。
 
ああっ、平和のチャイム、綺麗に響きますように!

指揮者の右に見える1本の鉄棒が、噂のチャイム。がんばれっ。