いい靴が欲しくなる映画。

「キンキーブーツ」を見ました。
イギリスの田舎町の靴工場が、ドラァグクイーン(女装した男性)向けのブーツで蘇る!
なーんて触れ込みは完全にコメディなんですが、
中身は結構、プロジェクトXもしくは西田敏行の「陽はまた昇る」です。
 
設定は奇抜で、展開はオーソドックス。でも見ごたえはあります。
舞台になってる工場と機械の質感、功績大きいすよねー。
トリッカーズのほんまもんの工場を営業とめて撮ったとのこと。
エキストラも、キャストへの技術指導も、ほんまもんの職人さん。
制作者の、靴職人と服装倒錯者への敬意?が、この映画の芯を強くしてますなー。
 
この映画、制作のきっかけになったのは、ブルックスという実在の会社だそうで。
EUができて経営がやばくなって、ちょっと怪しいグッズをつくるようになって、
それがちょっとメディアにとりあげられて、それをジュリアン・ジャロルド監督が発見、と。
 
現実の靴工場は、すでに閉鎖され、
ブルックス社は完全にエログッズショップになってるようです(笑)。
社長が赤いブーツはいて、ホームページに出ています(涙)。
 
変態ブーツ会社の映画を、5世代続く正統派英国シューズの工場で撮る。
イギリス人の心の広さというか、ユーモアのセンスというか。
実際、DVD特典では「監督が書いた、別エンディング」が見られるんですが、
こっちはいっそう「イギリス風」に仕上がっております。
アメリカでやったら、暴動が起きると思います。
 
そうそう、DVD特典の「ブローグ靴ができるまで」はとてもキュートです。
あー、靴ほしいなあ(ブーツじゃなくて)。
 
(トリッカーズ社)
http://www.qpshop.com/trickers/trickers.htm
ブルックス社)
http://www.divine.co.uk/
 
(キンキーブーツ)
http://www.movies.co.jp/kinkyboots/
(陽はまた昇る)
http://www.toei.co.jp/hiwamatanoboru/